【11社目】夢や可能性は呪いのように自分を縛ってくる【パチンコ店員転職物語】

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前回は8社目と同じく中古品買取販売の面接であった。しかし、結果はまた不合格。

いつまでこれを続けるのかと思うと本当に嫌気がさしてくる。

それでも組んでいた予定は律儀にこなしていく。

目的を見失いそうになるが、それでも続けていく。

可能性は呪縛

「ずっと叶えたかった夢が貴方を縛っていないだろうか?」

スマートフォンに繋いだイヤホンからそう聞こえてきた。

自動再生で聞くともなく流していた音楽の歌詞だ。

曲調はゆるやかで心地よいものだが、歌詞でぐさりと心を指してくる。

少し考える。どうだろうか。考えてみたけれど、ずっと叶えたかった夢は思いつかなかった。

それでも今これで良かったのだろうか?
いつまでこのままなのだろうか?
とは思う。不安をなくしたいとか、後悔なく生きたいとかそういうことは「夢」と呼べるのだろうか。

幼いころはなんでもできると思っていた。なににでもなれると。心の底では今でもそう思っているのかもしれない。でも当然なんでもできるわけではない。

可能性は呪縛だ。ずっと叶えたかった夢はいつまでも追いかけてくる。もっと頑張っていたらとか、もっとこうしていたらとか。そういう思いからは逃げられない。

可能性は時が過ぎるほどすり減っていく。可能性はいつも寄り添っているようでいて、気がついたときには姿を消しているものだ。

この先、可能性に縛られないためには、その可能性の手を取って自分の足で飛び込んでいく他ない。

それが後悔なく生きるためのベターな方法だ。

2週間ぶりの面接

面接は2週間ぶりになる。宅建試験に備えて転職活動を一時中断させていたからだ。

試験の方はどうだろうか。自分としてはよくできたと思っているのだが。

過去2回不合格になっていたが、今回ようやく手ごたえがあった。自己採点でもおおむね合格点を超える。合格点が毎回変動するので、結果は出るまで分からない。

転職活動を行いながらも、1日最低30分は勉強にあててきた。もちろんパチンコ店員の仕事も続けながらだ。休みの日はさらに2時間くらいを勉強時間としてきた。

誰も褒めてくれないので、ここで主張したいのだが、それを3年間続けただけでもよく頑張ったなあと思う。

ミスを重ねて落ちている可能性もあるが、それならそれで仕方がないとも思える。合格点という明確な基準があるぶん落ちていたとしても納得できる。

転職活動に比べると、合格点さえ取れば受かる筆記試験のほうが簡単なのかもしれない。転職活動においては点数だけでうまくことが運ぶわけではないのだから。

なんにせよ、ここで一つ肩の荷が下りたのはありがたい。これまでとってきた勉強時間も転職活動に当てられる。ほんの少しだけ楽になった気持ちで今回の面接に臨む。

スカウト機能

最近、転職サイトの「スカウト機能」をCMなどでよく目にする。あれって実際のところどうなのだろうか。そう思ってスカウトに重点を置いたタイプの転職サイトにも登録してみた。

今回はそのスカウトを受けての面接に臨む。

スカウト機能の良し悪しについて結論から言う。スカウト機能は使っていったほうがいい。企業の良し悪しだとか、自分に合う合わないという問題はもちろんある。それでも自分に対してスカウトが来るというその事実は、確実に自分を推し進めてくれるからだ。

とにかく面接が通らないと感じたタイミングで使い始めたが、もっと早く使っていても良かった。

自分に価値はないとすぐに思い込んでしまうくらいなら、どんな状況であれ誰かに必要とされているという実感が必要だ。たとえそれがまやかしであってもだ。

誰彼構わずスカウトを出している企業もあるだろうし、条件に一致した人に半自動的に送られていると感じるものもあった。というか大半がそうだ。

なぜそう思うかというと、他の媒体でこちらからエントリーして、すでに落とされた企業もそのなかにいくつもにあったからだ。

逐一精査しているわけではないのだろう。

それでも向こうからアクションがあるという事実は嬉しいものだ。一言でいうなら、なんかモテてるような感じがする。視点や立ち位置が変わるだけでも、気持ちは変わってくるものだ。

結果的にスカウト機能を使って実際に面接してみたのは今回受けるこの1社のみ。

よくわからないなら聞いてみる

業種は墓石の販売とのこと。やや珍しい仕事だと感じる。転職活動を行う際に墓石を売りたいと思う人はあまりいないだろうなと感じた。

やはりそれは想像通りで、話を聞いてみると人手不足で困っているらしい。

面接官は非常に腰が低い方だった。初老と言っていい男性だが、溌剌とした話口調でかなり好感がもてた。「なんとか力を貸してくれませんか」というスタンスで話をすすめてもらえるのも、悪い気はしない。

それでもこの仕事はできないと思った。人の生き死にに関する仕事はできないと感じたからだ。これまでにも葬儀屋の募集もあったが、全て断ってきた。

仕事自体は非常に重みがあると思うが、たぶん僕は毎日それを続けることができなさそうだ、気が病んでしまう。すぐに回りに影響を受けてしまう性格だ。

というわけで、このお仕事自体は丁重にお断りした。

複数の媒体を使ったほうがいい

もっとはやくスカウトを使っていてもよかったと思う。媒体を広げると収拾がつかなくなってしまいがちなのでバランスはとっていかないといけないだろうけれど。

ちなみにその他にもいくつかの媒体を使っていた。

近年多いのが職種・業種専門の媒体だ。例えば看護師専門だとか、工場専門だとか。やりたい仕事や活かしたいキャリアがあるならそういったものは積極的に使っていくのがよい。

僕も不動産関係専門や、パチンコ業界専門といった媒体を使っていた。どちらも成果は出なかったけれど。

具体的に転職したあとのことまで、想像できるしアドバイスも専門的だったりする。大まかに業界が同じならば会社での違いも細かいところまで精査できる。

業界に特化したサイトなら、希望の地域でももっと求人があるかと思ったがそこはあてが外れた。媒体しては特化すればその分総数が少なくなるし、そこは仕方ないのかもしれない。

総括

今回思ったことは働く側も雇う側も対等な立場だよなということ。働き手がいなければ会社は成り立たないし、働き口がなければ生活していけない。当然のことだけれど。

どちらかに偏れば、どこかでバランスを崩して不和が生まれる。ブラック企業なんて言われるようになって久しいが、バランスを崩している状況はよく目にする。

周りを動かすことは難しいので、自分の意識だけでもしっかりと保っておこう。

そうしないとこちらもバランスを崩してしまうから。

12社目につづく

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