【4、5、6社目】一日3件面接とかしない方がいい【パチ店員転職物語】

転職物語

3連続で面接をお見送りになってしまった。

なかなかうまく行かないものだなあなんて考える暇もなく次の面接はやってくる。

一日で3社の面接を受ける予定だが、もうすでにパンクしそうだ。

それでもやらなくちゃ。

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1日に3社受ける

前回の面接から2日後。手応えはあったものの、結果はこの時点では届いていない。どうだったのだろうと気をもんでいた。いや正確には、その暇もなく次の面接がやってきていた。

今日は1日で3社面接がある。全てWEB面接なので、移動時間などはないが、どう考えても詰め込みすぎだ。それぞれの企業について調べる余裕もない。もっと自分のペースとかスケジュールを大事にしたほうがよかった。

時間は午前10時から。まだ9時前だが、早めに準備して心を落ち着けておきたい。先日のWEB面接いそしく、またいそいそとスーツに着替えている。やはり上だけジャケットを羽織ってなんて器用な真似はできない。気持ちを作りには全身着替える必要が、僕にはあった。

クローゼット部屋の東に位置していて、そこに置かれた一つしかない小窓から光が差し込んでいる。20センチ四方の正方形から入る光だけで室内は薄暗い。

部屋のなかで窓から差し込む光は、まるでスポットライトのようだった。区切られた光のなかにだけ、僕が着替えるごとに舞う埃がきらきらと光っている。床に落ちればワイパーシートで拭き取られるだけ存在も、その瞬間はキレイに輝いて見えるのが不思議だ。キラキラと光っては、いずれ力なくゆっくりと落ちていく埃は、スポットライトの空間を抜けると途端に見えなくなった。

小窓を手回しで開いて外の空気を部屋に入れる。じっとりと蒸したような肌触りが少し薄らいでいるように感じる。夏が過ぎて、まもなく短い秋が訪れるのだろう。秋が過ぎるころには、転職活動も終わっているといいと思った。

始めたのは自分で、誰に頼まれたわけでもないけれど。

4社目(大手通信子会社)

4社目はオフィス機器や通信関係の会社である。だれもが知っている大手企業の子会社にあたる。オフィス関連の機器や通信設備に関するものを取り扱っているらしい。

正直、そういったIT業界には明るくない。携帯電話も電話とメッセージ、ちょっとした検索くらいしか使えない。

福利厚生も手厚いようだ。条件も悪くない。

詰められる質問

今回初めて困ったのは、面接官がパチンコ業界に明るくなく、その説明に手間取ったことだった。その説明も含めてのプレゼン力なのだから仕方ないとも言えるのだが。

さらに成果の部分での質問を詰められた。このあたりは具体的な成果を示すことが難しい。個人で達成する数字や目標があるわけではないからだ。

あくまで主観で語ることしかできず、言葉に詰まることが多くなった。そこを弱点と見れば、面接官は詰めてくるもの。実際の営業でもそういう場面があるからだろうし、論理的に説明する能力は不可欠だ。

全体を通してしどろもどろ。取り繕っては崩されての繰り返しである。こりゃだめだ。

パチンコ業界を知らない人

今回始めてのパターンだったが、面接官がパチンコ業界を全く知らない人だった。そうなるととにかく説明が必要になる。たしかになかに入ったこともない人にとっては、謎の多い空間だろう。端的に言えば話が通じない。

ホールでの仕事は接客と言えば接客だろうし、機械メンテナンスのような仕事も多い。昔は体力仕事だったが今は必ずしもそうではない。改めていちから説明するは骨が折れる作業だ。

その上でそこの管理職はなにをしているかも皆目見当がつかないわけだ。面接官からすると、働いているイメージがつきづらく、どう活躍するか想像するのは難しかったと思う。

そういう人が面接官になると、不利かもしれない。しかし、パチンコ人口が減っている現代では、そういう面接官も多くなっているだろう。説明に時間を割きすぎることのないように、準備しておく必要があった。

面接を終えて

質問は今までになく激しかったし、パチンコ業界そのものの説明など1社目からどっと疲れた。

あと2社を辞退して、どこかへでかけてしまいたい。そんなことはできないのだけれど。

5社目(自動車工場関連部品メーカー)

本日2社目、通算5社目の面接は自動車や工場関連の部品を扱うメーカーだ。業界で言うと2社目に受けた企業に近い。

もっと言うと面接官の雰囲気も近い。中年男性が2人。良く言えば実直、悪く言えば不器用そうな印象を受けた。このあたり、手練手管の営業マンより好感が持てる。こちらから面接官を評価するというのも偉そうではあるが。

たかが1時間程度WEB上で対話した程度で何がわかるのかと思うが、観察眼には自信がある。人の目を気にして生きてきていないのだ。

応募者も企業を評価する

しかし、面接は企業側が応募者を評価するだけではない。応募者もまた企業側を審査するべきだ。重要なのはマッチングなんだから。企業側が評価してくれても、こちらが「どうも合わない」と思えば断るべきだ。当然逆もしかり。

また、あとから気づくことだが、業界が似ればそこにいる人も似てくる。ステレオタイプな見方は好きではないが、これは一つの真理だ。業界にいる人達がそこの雰囲気を作るのなら、その雰囲気に合う人達が集まってくるのは必然なのだろう。

職人気質も営業マンも全ては長年培われてきた土壌に根ざしているものなのだろう。こんなことは言わずもがなだし、なにをいまさらと思うかもしれないが、僕はこの時に初めてそのことに気づいた。

学生時代にもっと真剣に就職活動をしていれば、もっと早くにその事実に気づけたかもしれない。そしてそのことに多くの人はすでに知っていたのだと思うと、相変わらず自分はずれているなと感じる。

面接内容

面接内容は先程の企業よりも、フランクな印象だった。基本的な自己紹介や志望動機などは聞かれたが、趣味や休日の過ごし方といった質問にも時間を割いていた。

そこからどう判断するのだろうと考えたが、素直に質問に返した。それで正解だったのだろうかとも思ったが、それ以外に返す言葉を持たない。それに、取り繕って自分を大きく見せてもやはりボロがでるだろう。

人は良さそうだが、仕事内容や条件などは旧態依然としているようにも感じた。残業や休日出勤もあるという話で、そこはどう判断するべきか。

先程の企業と比較するなら、ゆるくて長い仕事か、厳しくて時間にきっちり仕事かと考えられそうだ。それだけで相対比較はできないだろうけれど。

面接を終えて

質問にそこまで詰められることもなく面接を終えた。和やかな雰囲気ではあったので、そういう空気感のほうが自分には合っているのかもしれないなと思った。

もう疲れ果てたんだけど、もう1社あるなんて。どうかしてるのよ。

6社目(家具メーカー)

6社目は家具メーカーだ。直接家具を売るのではなく、小売店に対しての営業ということらしい。家具といっても食器棚やシステムキッチンなどをメインにしているらしく、一個一個が大きい。

家を建てた人が、買っていったりするのだろうと想像した。大きな家具は生活において重要な役割を果たすと思う。部屋の雰囲気はもちろん、使い勝手でも生活は変わってくるだろう。そういう意味では、だれかに必要とされる仕事になるかもしれない予感がした。

面接

手応えで言うと、この企業が一番あった。また、面接官にこちらの話を聞き出す姿勢もあって好感が持てた。なにより、基本的には単独で行動するという部分も向いているように感じた。

チームが苦手なわけではないが、気を使いすぎたり感化されやすかったりするところがあるので、単独で動いたほうが向いているのかもと思っている。

単純に面接の出来栄えとしてもよかったと思う。一番落ち着いて受け答えできた。そりゃ一日に3社も連続で受ければこなれてくるか。

いや朝に受けた企業がぼろぼろに終わった感覚があるからかもしれない。

面接自体はこの企業が一番短かった。他が1時間くらいで、ここが30分程度だった。

見限られたのではと不安になったが、事前連絡で所要時間30分程度と書いてあった。そういうところもあるのねと安心した。

結果

どれも落とされた。どうにも上手くいかないものだ。

ただ1日に3社連続して受けたことで得たものもあった。

だいたいどこの企業も聞いてくる定番質問がある。

企業によって個性が出る質問もある。

単純に場数を踏むことは大事なんだろう。

6社目である程度落ち着いて面接に臨むことができたのは、シンプルに場馴れしてきたのだと思う。

その点では自信がついて来た。

今まではゲームで言えばチュートリアルのようなものだったんだ。ここから僕の快進撃が始まるのかもしれない。

おわりに

なんとなく前向きになって来たが、この後も面接を落とされ続けることになる。

その度に自信を失い、それでもなんとかと諦め悪く挑戦を繰り返すしかないのだ。

7社目に続く…

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